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会社員でもiDeCoに加入できる?企業型DCとの違いや上限金額をタイプ別に簡単解説

会社員でもiDeCoに加入できる?企業型DCとの違いや上限金額をタイプ別に簡単解説

2021/10/05 (最終更新:2021/10/12)
  • #iDeCo

iDeCo(イデコ)に加入できないのは企業型DCに加入している会社員です。

ただし、企業で併用が認められている場合は加入できます。

2022年10月以降、法改正に伴い企業型DCに加入している会社員を含め、国民年金被保険者であれば、誰でもiDeCoに加入できるようになりました。

こうした中で、会社員で企業型DCとiDeCo、どちらが自分に合うのか、悩んでいる人も少なくはありません。

そういった人に向けて、証券アナリストとファイナンシャルアドバイザーが企業型DCとの違いやiDeCoの活用方法について解説します。

会社員がiDeCo(イデコ)に加入できる条件

iDeCoは、2017年1月から利用対象者が拡大し、自営業者などに限らず会社員や専業主婦など、20歳以上60歳未満(第2号被保険者は60歳未満)の人であればほとんど全員が加入できるようになりました。

勤め先が企業型確定拠出年金(以下企業型DC)を導入している場合、企業の規約にiDeCoとの併用ができる旨が定めてあれば、加入が可能です。

ただし、2022年10月からは規約の定めの有無は関係なく、原則加入できるようになります。

企業型DCとiDeCoの併用については、勤務先などに問い合わせるなど確認しておくと良いでしょう。

(参考:iDeCo(個人型確定拠出年金)ってなあに?-制度の概要-

会社員がiDeCoに加入できないケース

企業型DCは、企業が従業員の老後の資産形成を目的として導入する企業年金制度です。「企業」が掛金を拠出し、従業員(加入者)が運用を行います。

企業型DCを導入するかどうかは会社によりますが、令和3年3月末現在、約747万人が企業型DCに加入しています。

企業型DCとiDeCoは併用が可能ですが、以下の条件を同時に満たす必要があります。

・iDeCoの併用を認める規約があること
・事業主掛金の上限が月額3.5万円とすること
(確定給付型にも加入している場合は、上限月額1.55万円

2022年10月からは、このような要件なしに、本人の意思だけでiDeCoの利用が選択できるようになります。

ただし、企業型DCの事業主掛金とiDeCoの掛金についてそれぞれ上限があります。

また、要件が緩和されても加入できないケースがあるため、詳細は厚生労働省の確定拠出年金の制度改正案内などで確認しましょう。

(参考:確定拠出年金の統計|統計資料|企業年金連合会
(参考:確定拠出年金, イデコ, iDeCo, 401k, 企業型確定拠出年金, 個人型確定拠出年金

マッチング拠出制度があるとiDeCoに加入できない

マッチング拠出」を採用している企業に勤めている場合も、iDeCoに加入できないので注意が必要です。

マッチング拠出というのは、企業型DCにおいて、企業が拠出する掛金に、従業員自身が掛金を上乗せするというものです。

なお、2022年10月からは企業型DCとiDeCo同時加入要件が緩和されます。

マッチング拠出とiDeCoを同時に利用はできませんが、それ以外であれば基本的にiDeCoと企業型DCへの同時加入が可能になります。

退職して会社員から個人事業主になった場合

企業型DCに加入していた人が会社を退職し、個人事業主になった場合は企業型DCの資産をiDeCoに移し替える(移換する)ことができます。

転職・退職等により、企業型DCの加入者資格を失った場合、6ヵ月以内に、資産をiDeCoまたは他の企業型DCに移換する必要があります。

また、脱退一時金の請求手続きを行わなかった場合、その資産は、国民年金基金連合会に自動移換されます。その際、手数料の負担が生じたりするデメリットがあります。

(参考:iDeCo加入者で転職・退職された方へ|転職・退職された方|iDeCo(イデコ・個人型確定拠出年金)【公式】

iDeCoにおける会社員の掛金上限額は「月額2.3万円」

会社員・公務員等の場合|iDeCo加入者の声|iDeCo(イデコ・個人型確定拠出年金)【公式】 の情報を参照・加工して作成>

iDeCoは、月々5000円からスタートすることができます。
掛金は1000円単位で設定できますが、加入している年金の種類によって拠出できる上限額が決まっています。

会社員の場合、企業年金の加入有無によって、掛金の上限額が異なります。

確定給付企業年金(以下DB)がない場合…月額2万3000円
企業型DCに加入している場合…月額2万円
DBのみ、あるいはDBと企業型DCに加入している場合…月額1万2000円

iDeCoで積み立てたお金は基本的に60歳にならないと引き出せません。

掛金額を決める時は、このことを考慮し、無理なく拠出できる金額を設定すると良いでしょう。


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企業型DCとiDeCoは何がどう違う?

企業型DC(企業型確定拠出年金)とiDeCo(個人型確定拠出年金)の違いは下記の通りです。

(参考:厚生労働省|確定拠出年金の拠出限度額
(関連記事:【簡単図解】iDeCoとは?知っておくべきメリット・デメリットをわかりやすく解説

加入対象者・掛金の上限額・積立の期間

iDeCoの加入対象者は、国民年金被保険者で、20歳以上60歳未満(第2号被保険者は60歳未満)の人となります。

掛金の上限額については、加入者の職業によって異なり、自営業者などは月額6万8000円、会社員の場合は企業型DC等の加入状況によっては上限額が変動します。

拠出できる期間は60歳までですが、2022年5月からは、原則65歳になるまで拠出できるようになります。

企業型DCの加入対象者は企業型DCを導入している企業の会社員(厚生年金の被保険者)です。

拠出限度額について、ほかの企業年金がある場合は月額2万7500円、ほかの企業年金がない場合、月額5万5000円となっています。

掛金は原則60歳未満まで、特別な規定があれば65歳未満まで拠出できます。2022年5月以降は70歳未満まで加入できるようになります。

税制優遇・社会保険料

iDeCoやマッチング拠出など、自らが掛金を拠出する場合、掛金の全額は所得から控除されます。

所得から掛金が控除されると、課税所得が減るため、当年分の所得税翌年分の住民税負担が減ることになります。

選択制企業型DCにおいて、掛金の原資を給与の減額部分に充てた場合、事業主に掛金を拠出してもらうと社会保険料の算出基準である標準報酬月額が減ります。

そのため、社会保険料の負担も少なくなります。

(参考:いわゆる「選択型DC」の問題点について |ニッセイ基礎研究所

運用商品・手数料

iDeCoの場合、運営管理機関(銀行、証券会社、保険会社などの金融機関)が選定する運用商品の中から、自由に組み合わせて運用します。

運営管理機関は、iDeCoの運営上、必要となるサービスを提供していることから、その対価として掛金とは別に手数料を設定しています。

企業型DCの場合、勤務先の企業が契約する運営管理機関(金融機関)が選定した運用商品から選択できます。
運営に関わる手数料等は会社負担となります。

納付方法・給付方法

企業型DCの場合、給与から拠出額を天引きし、事業主を通じて拠出します。

天引きができない場合は、口座振替となります。

iDeCoの場合、口座振替や給与から天引する方法で掛金を拠出します。

企業型DC、iDeCoともに、積み立てたお金は、老齢給付金として年金、一時金、年金と一時金などいずれかの方法で受け取ることができます。

原則60歳から70歳までの間で受け取るように手続きをします。(2022年4月からは、この期間が75歳までに延長されます。)

老齢給付金以外には、障害給付金や死亡一時金、脱退一時金として受取るケースもあります。

(関連記事:【簡単図解】iDeCoとは?知っておくべきメリット・デメリットをわかりやすく解説

会社員がiDeCoに加入するメリットは「3つの節税効果」

(参考:iDeCo(個人型確定拠出年金)ってなあに?-制度の概要-

メリット①掛金全額が所得控除の対象

iDeCoで積み立てた掛金の全額が所得控除されます。掛金の年間合計額がその年の課税所得から差し引かれます。

その結果、所得税や住民税が軽減されます。

仮に毎月の掛金が1万円の場合、所得税(10%)、住民税(10%)とすると年間2万4000円、税金が軽減されます。

実際にシミュレーションしてみよう

年間の所得税・住民税の軽減効果を年代・掛金別でみていきましょう。

(参考:iDeCo・つみたてNISAシミュレーション: 三井住友銀行


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メリット②運用益が非課税

運用によって得た収益(元本より増えた金額)については非課税となります。

通常、定期預金の利息や投資信託で得た利益には、その約20%が税金として差し引かれます。

しかし、iDeCoで運用した場合はすべて非課税となり再投資されます。

メリット③受取時も控除の対象

60歳以降に積み立てた資産を受け取る際もメリットがあります。

全額をまとめて受け取る場合は退職所得控除の対象となり、分割で受け取る場合は公的年金等控除の対象になります。

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会社員がiDeCoに加入するデメリット

会社員がiDeCoに加入した際に、考えられるデメリットは2点あります。

転職先によってiDeCoの掛金の上限額が減る可能性があることと、持ち運ぶ場合は運用商品を一度売却しなければならないことです。

会社員がiDeCoで拠出できる掛金の上限や加入の可否は、勤務先の企業年金などの有無や、企業型DCの導入状況によって変化するためです。

(関連記事:iDeCoをやらないほうがいいケースは?始める前にデメリットとメリットを理解しよう

会社員がiDeCoに加入する場合の手続き・始め方

iDeCoを始めるためにはいくつかのステップがあります。
iDeCo公式サイトなどを活用し確認すると良いでしょう。

①iDeCoの加入資格の確認
勤め先の企業年金の違いによって拠出限度額も異なるため、自身の上限額を把握しましょう。

②掛金を決める
iDeCoの掛金は、月々5000円以上1000円単位で、ご自身の加入資格に沿った上限額の範囲内で設定できます。

③金融機関を選ぶ
ほとんどの金融機関ではiDeCoを取り扱っています。その中から運営管理機関として1社だけ選ぶ必要があります。

④加入手続きをする
金融機関から入手した「加入申出書」に記入し、必要な書類を添付して、金融機関に提出してください。一部の金融機関では、加入手続きをオンラインで行うことができます。 

⑤運用商品を選ぶ
運用商品ごとに、その仕組み、特徴、リスクとリターンの関係などは異なります。運用商品の仕組みや特徴などをよく理解した上で、自分に合った商品を選びましょう。

また、会社員や公務員などの厚生年金の被保険者は、申込みにあたってお勤め先の事業主に証明書が必要です。

上記①~⑤の流れで行うことが多いですが、金融機関によっては異なる場合もあるため、HPなどで確認しましょう。

(参考:ご加入までのお手続き | みずほ銀行

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今後の法改正で会社員がiDeCoに加入しやすくなる

iDeCoは2016年の法改正で加入者の範囲が拡大したことにより、世間に広く知られるようになりました。

2020年の法改正によってiDeCoは利用できる人や期間がさらに拡大します。

例えば、2022年から、企業型確定拠出年金とiDeCoの同時加入要件が緩和されることになり、基本的にiDeCoと企業型DCを同時に加入することができるようになります。

また、iDeCoの加入可能年齢が拡大され、原則65歳になるまで加入できるようになります。

老後資産の積み増しや50代からiDeCo活用も検討しやすくなるでしょう。

(参考:有識者によるiDeCoのコラム#9 法改正でますます拡充2023年からiDeCoはどう変わる?|iDeCo加入者の声|iDeCo(イデコ・個人型確定拠出年金)【公式】

よくあるQ&A

会社員がiDeCoを始める前に知っておきたい事項について、ファイナンシャルアドバイザーが解説しました。

Q.年末調整や確定申告は必要?

税制優遇を受けるためには年末調整確定申告が必要となります。

毎年10~11月ごろになると国民年金基金連合会から「小規模企業共済等掛金払込証明書」が送られてきます。

小規模企業共済等掛金払込証明書は、年末調整時に添付する資料となるので大切に保管しておきましょう。

勤務先から「給与所得者の保険料控除申告書」を受け取って必要事項を記入します。

この書類と合わせて、前述の「小規模企業共済等掛金払込証明書」を添付し、会社に提出すれば年末調整での申告は完了です。

万が一、年末調整での申告を忘れてしまった場合は確定申告が必要となります。

(参考:iDeCo(イデコ)を利用したら会社員でも確定申告が必要? | iDeCo個人型確定拠出年金スタートクラブ

Q.会社員がiDeCoをやっていたら、会社に知られてしまう?

iDeCoの加入手続きは、所属する事業所(会社)から「事業主証明書」を発行してもらう必要があります。

また、iDeCoの税制優遇を受けるために年末調整を希望する場合も、会社に必要書類を提出するため、会社にiDeCoの加入状況は共有されるものとして考えておきましょう。

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まとめ

今回は「会社員でもiDeCoに加入できるのか」をテーマに話をすすめてきました。

以下にポイントをまとめました。

①企業型DCに加入している会社員はiDeCoに加入できない
(例外として企業に併用を認める規約(労使合意)があれば加入が可能。ただし、マッチング拠出の場合はできない)

②会社員の掛金上限は「2万3000円」、企業型DCやDBに加入している場合などは、上限額が「2万円」もしくは「1万2000円」

③会社員がiDeCoに加入することで得られるメリットは3つ(掛金全額所得控除、運用益非課税、受取時各種控除が適用)

④2022年の法改正で、iDeCoへの加入要件が緩和。企業型DBに加入している会社員も拠出しやすくなる

iDeCoは税制面での優遇もあり、興味を持たれている方も多いのではないでしょうか。会社員で加入条件に合う方は活用を検討しても良いかもしれません。

今回の内容を参考に、iDeCoで資産運用のはじめの一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。


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記事監修/泉田 良輔(証券アナリスト)、著者/吉田 奈都子(ファイナンシャルアドバイザー)、尾崎 絵実(ファイナンシャルアドバイザー)、森重 由里子(ファイナンシャルアドバイザー)


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監修
泉田 良輔
  • 泉田 良輔
  • 証券アナリスト/経営者/元機関投資家

株式会社OneMile Partners代表取締役。2018年にmoneiro(マネイロ)を運営するOneMile Partnersを創業。それ以前は日本生命やフィデリティ投信で外国株式や日本株式運用のファンドマネージャーや証券アナリストとして従事。慶應義塾大学商学部卒。東京工業大学大学院非常勤講師。日本証券アナリスト協会認定アナリスト(CMA)。Amazon「一般・投資読み物」カテゴリで第1位を記録した『機関投資家だけが知っている「予想」のいらない株式投資法』 など著書多数

著者
吉田 奈都子
  • 吉田 奈都子
  • ファイナンシャルアドバイザー

大阪体育大学卒。中学~大学とサッカー部に所属。社会人女子ラグビー経験もあり、日本代表候補選出歴のあるスポーツウーマン。引退後は日本生命保険相互会社にて、保険商品の提案業務など金融営業経験を積み、採用・育成担当としても一度に約100名の指導経験をもつ。前職のゴンチャジャパンでは新規店舗の立ち上げに携わるなど、フットワークの軽さが持ち味。現在は個人向け資産運用会社にて、マネーに関するコンサルティング業務を行っている。AFP(Affiliated Financial Planner)

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