30代と40代の貯金の目安はいくら?理想の老後にいくら必要か

30代と40代の貯金の目安はいくら?理想の老後にいくら必要か

著者: 三輪 文監修: 泉田 良輔2020/12/23 (最終更新:2021/01/07)
#貯金#30代#40代#老後

1. はじめに

お金の話はデリケートであり、友人や知人であってもお金の悩み、ましてや貯金額については聞きたくても聞けないという方が多いのではないでしょうか。

自分の貯金額は同世代と比べて多いのか少ないのか、また、老後に向けてどの程度の貯金があればよいのかなど、貯金に関してだけでも知りたいことは様々あるかと思います。

今回は、働く世代である30代、40代の貯金額、また理想の老後に向けていくらのお金が必要になるかを確認していきます。

また、賢く貯蓄出来るようなコツ、プラスアルファで行うと良い資産運用についてもご紹介していきます。

みなさんにとって、少しでも有益な情報であれば幸いです。

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2. 30代・40代の年齢別の貯金はいくらか

30代、40代の人はどれくらいの貯金を持っているのでしょうか。他人にお金の話は聞きにくいので、公開データをもとに見ていきましょう。

金融広報中央委員「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査] 令和元年調査結果」と「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査] 令和元年調査結果」から、各年代の夫婦世帯と単身者世帯の平均貯蓄額と中央値を確認してみましょう。

平均値は皆さんご存知でしょうが、中央値というのは聞きなれない言葉かもしれません。

中央値は少ない方から並べてちょうど真ん中にくる数値であるため中央値がより実態に近くなっているといえます。貯蓄額には預貯金以外に保険や有価証券も含んだ金額となっています。

2.1 30代の平均貯蓄額と中央値

ここでは、年代ごとに、夫婦世帯、また金融資産を保有する世帯について、貯蓄額の平均値と中央値で見ていきます。

また、単身者(主には独身)世帯については、8章の「【ご参考】30代・40代単身世帯はいくら貯金をしているか」をご確認ください。

では、なぜ金融資産保有世帯をみるかというと、実際には「貯金がゼロという世帯」もあり(大きくは報道されることは少ないですが、「日本の闇」という人もいます)、その世帯を含んでしまうと全体の平均が下がってしまうということがあります。したがって、今回は金融資産を持たない世帯は除いた「金融資産保有世帯」でみていきます。

まずは、30代世帯から見ていきましょう。


30代夫婦世帯のうち金融資産保有世帯の場合

ここでは、30代の夫婦世帯で金融資産を持つ世帯について見ています。

平均貯蓄額は640万円、中央値は355万円となっています。

その内訳ですが、以下の通りです。

預貯金が全体の半分を占めているということになります。また預貯金に次いで、保険が多くなっています。

また、株式や投資信託といった有価証券での資産運用はわずかな金額です。

  • 預貯金:322万円
  • 保険:200万円
  • 有価証券:72万円
  • その他:46万円

平均貯蓄額640万円,中央値355万円, 内訳: 預貯金322万円,保険:200万円,有価証券72万円,その他:46万円

2.2 40代の平均貯蓄額と中央値

続いて、働き盛りの40代の世帯について見ていきましょう。

40代夫婦世帯のうち金融資産保有世帯の場合

ここでは、40代の夫婦世帯で金融資産を保有する世帯について見ていきます。

平均貯蓄額は880万円、中央値は550万円となっています。

その内訳は以下の通りです。

預貯金の額は半分までにはいきませんが、以前と高い水準となっています。また、特徴的なのは、保険の金額が30代と比べて多くなっています。夫婦世帯ということで家族への保障を増やされる世帯が多くなっているという背景もあるのでしょう。

また、有価証券の額は30代の夫婦世帯とそれほど変わりがありません。40代といえども、積極的に資産運用ができる状況ではないというのが見て取れます。

  • 預貯金:372万円
  • 保険:382万円
  • 有価証券:78万円
  • その他:48万円

平均貯蓄額880万円,中央値550万円,内訳: 預貯金372万円,保険382万円,有価証券78万円,その他48万円

3. いざというときに困らないための貯金額の目安はいくら

では、いざというときに困らないための預貯金はどれくらいあればよいのでしょうか。

ここでは、貯金の目安として給料の何か月分あればいいのか、また、病気になった時にどれくらいお金がかかるかなどについて見ていきたいと思います。

3.1 給与の何ヶ月分あればいいのか

貯金は老後や万が一怪我や病気、何かしらの理由で働けなくなってしまったときの備えとなります。

では、貯金額はどのくらい持っておけば安心でしょうか。

会社員の方は「月収の3ヶ月分」を、フリーランスや自営業の方は「6ヶ月分」あると安心です。

まず会社員の方の場合、雇用保険の保障から会社都合ではなく自己都合で会社を辞めた場合、失業手当が受け取れるのは約3ヶ月後となります。その間、収入が途絶えてしまった時にも、まずは3ヶ月分の貯金があれば生活していくことが出来ます。

一方、フリーランスや自営業の方は、雇用保険に入っていませんので収入が途絶えてしまった場合、失業手当はありませんので、まずは月収の6ヶ月分を目安に備えておくと良いでしょう。

なぜこの金額を貯金すれば良いのかについての理由を見ていきましょう。

3.2 日本の充実した高額療養費制度はどこまで保証してくれるか

生命保険文化センターの「令和元年度生活保障に関する調査」では、自分自身がケガや病気をすることについての不安の有無をみると、「不安感あり」は89.6%、「不安感なし」は9.8%となり、ほとんどの方がケガや病気のリスクについて不安を持っていることが分かります。

これに対して、公的医療保険に対する考え方の問いでは自分の医療費を公的医療保険だけでまかなえると考えているかをみると、「まかなえると思う」は44.6%に対して、「まかなえるとは思わない」は51.5%となっており、半数以上の方は公的医療保険だけでは足りなくなると感じていることが分かります。

では日本の公的医療保険はどこまで保障してくれるのでしょうか。

実は日本の公的な医療保障には高額療養費制度というものがあります。

厚生労働省ホームページの医療保険の項目では高額療養費制度について確認することが出来、下記のようになっています。

“高額療養費制度とは、医療機関や薬局の窓口で支払った額(入院時の食費負担や差額ベッド代等を除く)が、ひと月(月の初めから終わりまで)で上限額を超えた場合に、その超えた金額を支給する制度です”

もし万が一大きな病気やケガをして医療費が高額になってしまった場合に、この制度を使うことで負担した金額の一部が戻ってくるというものです。

この毎月の上限額については年齢や所得によって変わってきます。

例えば、以下のような場合、高額療養費制度を使うと自己負担額がどのように変わるかをみていきましょう。

【69歳以下の場合の自己負担限度額の計算式】

年収約1160万円~(標準報酬月額83万円以上)・・・25万2600円+(総医療費-84万2000円)×1%
年収約770~約1160万円(標準報酬月額53万~79万円)・・・16万7400円+(総医療費-55万8000円)×1%
年収約370~約770万円(標準報酬月額28万~50万円)・・・8万100円+(総医療費-26万7000円)×1%
~年収約370万円(標準報酬月額26万円以下)・・・5万7600円
住民税非課税世帯(低所得者)・・・3万5400円

では、総医療費が100万円で自己負担額が30万円、年収400万円だったと仮定して高額療養費制度を使った場合にいくらが戻るのか計算してみましょう。


【総医療費が100万円で自己負担額が30万円、年収400万円のケース】
  • 8万100円+(100万円-26万7000円)×1%=8万7430円(自己負担限度額)
  • 30万円-8万7430円=21万2570円(高額療養費として支給される)

このように医療費が高額となってしまった場合も日本では保険で3割負担となるうえ、高額になった医療費にも対応してくれる非常に恵まれた制度が設けられているのです。

過度に民間の医療保険には加入しなくてもよいことが分かります。

3.3 健康保険証で医療保障も異なる

ここでは、会社員の方が持っている保険証について、まだあまり知られていない2種類の健康保険についてご紹介します。

実は会社員の方が加入する健康保険には「協会けんぽ」と「組合健保」の2つが存在しています。

「協会けんぽ(全国健康保険協会管掌健康保険)」は全国健康保険協会が保険者となって
運営しており、主に中小企業等で働く従業員とその家族の方が加入する健康保険で、令和元年度の段階で232.5万社が加入しています。

一方「組合健保(組合管掌健康保険)」とは健康保険組合が保険者となり、常時700人以上の従業員が働いている企業が自前で健保組合を設立、または複数の会社が共同で設立する場合は合計で常時3千人以上の大企業やそのグループ会社子会社で働く従業員とその家族の方が加入しています。

違いのひとつが「協会けんぽ」と「組合健保」の保険料です。

保険料は被保険者(会社員等)の標準報酬月額と標準賞与に保険料率をかけて計算され、労使折半といって被保険者と事業主で半分ずつ負担する仕組みになっています。

「協会けんぽ」の保険料は都道府県ごとに異なります。令和2年度の保険料率は9.58%~10.73%となっています。

「組合健保」の保険料は一定の範囲内で組合が決めることが出来るようになっており、2019年度の平均保険料率は10.260%となっています。

「組合健保」の方が、保険料率は低めに設定されていることが多いようです。

さらに「健保組合」最大のメリットは「付加給付」があることです。

先程の高額療養費制度を使った場合、自己負担限度額は年齢や収入によって変わるとお伝えしましたが、組合健保はさらに「付加給付」という制度を使うことで、組合健保によっては、ひと月の自己負担限度額は2万5000円になるのです。

医療費が仮に100万円以上の高額になったとしても、限度額は2万5000円になるわけですから、大企業にお勤めの方は特に手厚い医療保険に入らなくても公的保険でまかなえることになります。

組合によって付加給付という名称ではない場合もありますので、大企業の方は一度確認していただくことをおすすめします。

3.4 もし病気やケガで会社を休んだら保障はあるのか

業務外で病気やケガをして会社を休むことになってしまった場合に、「協会けんぽ」「健保組合」いずれも傷病手当金を受け取ることが出来ます。

令和2年公表厚生労働省保健局「傷病手当金について」と協会けんぽ「病気やケガで会社を休んだとき」から、傷病手当金を受け取るための条件と概要をみてみましょう。

給付条件

1. 業務外の事由による病気やケガの療養のための休業であること
※健康保険給付以外に仕事に就くことができない証明があるときは自費診療でも支給対象で、自宅療養の期間も支給対象となるが業務上や通勤災害、病気とみなされないもの(美容整形等)は支給対象外となる。

2. 仕事に就くことができないこと
※仕事に就くことができない状態の判定は、療養担当者の意見等を基に被保険者の仕事の内容を考慮して判断される

3. 連続する3日間を含み4日以上仕事に就けなかったこと
※仕事を休んだ日から連続して待期期間3日間の後、4日目以降の仕事に就けなかった日に対して支給。待期には有給休暇、土日・祝日等の公休日も含まれるため給与の支払いがあったかは関係なく支給される。

4. 休業した期間について給与の支払いがないこと
※給与が支払われている間、病手当金は支給されないが、給与の支払いがあっても傷病手当金の額より少ない場合はその差額が支給される。

支給期間
最長1年6ヶ月

※支給開始1年6ヶ月の間に仕事に復帰した期間があり、その後再び同じ病気やケガにより仕事に就けなくなった場合も復帰期間も1年6ヶ月に参入され、支給開始後1年6ヶ月を超えた場合は仕事に就くことが出来ない場合でも傷病手当金は支給されない。

支給額
1日あたりの金額の計算式は下記のようになります。
(支給開始日以前の継続した12ヶ月間の各月の標準報酬月額を平均した額)÷30日×3分の2
※被保険者期間が12ヶ月に満たない場合は①②いずれか低い額が算定の基礎となる

①被保険者の被保険者期間における標準報酬月額の平均額
②被保険者の属する保険者の全被保険者の標準報酬月額の平均額

会社員の方の場合は、最長1年6ヶ月傷病手当金を給与の3分の2受給出来ると考えると残り3分の1を確保しておけば会社を休む前と同じ収入となることから月収の3ヶ月分あると安心ということになります。

これに対して、フリーランスや自営業の方の場合は傷病手当金の制度はないため、倍の6ヶ月あれば万が一の備えとして安心できる金額になると考えます。あくまで目安となりますが参考にしてみてください。

4. 老後にいくら貯金が必要か

2019年に金融庁から『金融審議会 市場ワーキング・グループ報告書「高齢社会における資産形成・管理」』というレポートが公表され、それによれば老後は年金収入の他に約2000万円の生活費が足りなくなるという内容だったため「老後2000万円問題」として大きな話題となりました。

この2000万円の計算は高齢夫婦世帯(夫65歳以上、妻60歳以上の夫婦のみの世帯)がモデルとなっており、夫のみが会社員、妻は専業主婦というパターンで毎月の収支は下記のようになっています。

・収入(おもに年金)約20万9198円
・支出(おもに食費)約約26万3718円


毎月の赤字は約5.5万円、この赤字分を年間で計算し、老後が30年続いたと仮定して出た金額約2000万円が足りなくなるというものでした。

これに対して生命保険文化センターの老後の生活費に関しての意識調査では、老後に夫婦2人で生活するための最低日常生活費が月額平均で22.1万円、ゆとりある老後生活費になると36.1万円という結果でした。

老後を30年と仮定して老後の生活費がいくら必要になるかみてみましょう。

最低日常生活費:約22万円×12ヶ月×老後30年=7920万円
平均日常生活費:約26万円×12ヶ月×老後30年=9360万円
ゆとりある生活費:約36万円×12ヶ月×老後30年=1億2960万円


大きな金額が出ていますが、老後の生活費の補填には年金や退職金もありますので、これらを踏まえて老後の貯金はいくら必要なのか、様々な世帯のケースで比較してみましょう。

※年金額は厚生労働省「平成30年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」、退職金額は厚生労働省「平成30年退職給付(一時金・年金)の支給実態」を参考にしたものです。

4.1 夫婦共働き世帯の場合

公的年金受給額
厚生年金平均月額(男性):16万3840円
厚生年金平均月額(女性):10万2588円

退職金受給額
退職金平均(定年退職):1983万円

16万3840×12ヶ月×30年+10万2588×12ヶ月×30年+1983万×2=1億3557万4080円

夫婦で共働きの場合は年金と退職金で約1億3500万円となり、前項のゆとりある老後を送ることが可能となることが分かります。

これだけでも十分なのですが、介護費用分も考慮すれば、貯金が老後を迎えた時点で2000万円程度あるとより安心した老後になるといえるでしょう。

4.2 夫婦2人世帯で会社員と専業主婦(主夫)の場合

公的年金受給額
厚生年金平均月額:14万3761円
国民年金平均月額:5万5708円

退職金受給額
退職金平均(定年退職):1983万円


14万3761円×12ヶ月×30年+5万5708円×12ヶ月×30年+1983万円=9163万8840円

どちらか一方が会社員と専業主婦(主夫)の場合では、約9100万円で平均的な日常生活を送ることは出来そうです。

ゆとりある老後や介護費用も備えておきたい場合は3000万円~4000万円が老後までに準備出来ると安心です。

4.3 夫婦二人世帯で自営業・フリーランスの場合

公的年金受給額
国民年金平均月額:5万5708円×2


5万5708円×12ヶ月×30年×2=4010万9760円

夫婦2人とも自営業やフリーランスの場合は、公的年金の中でも国民年金のみとなり約4000万円しか受給できないことになりますから、数千万円が足りなくなりますので現役のときにどれだけお金を貯めたり増やしたり出来るかがポイントになります。

自営業やフリーランスの最大のメリットは事業が上手くいけば会社員の年収を超えることが出来る点です。収入が多くなったときはいつもより多めに貯金しておくなど工夫しながら貯金していけると良いですね。

4.4 独身の場合

総務省の「2019年 家計調査(家計収支編)」によると、単身者世帯の毎月の支出は平均で16万3781円となっています。毎月約17万円が必要となると考えておくと良いでしょう。

老後もずっと独り身でいるという場合、老後30年で6120万円が必要となる計算になります。

公的年金受給額
厚生年金平均月額:14万3761円

退職金受給額
退職金平均(定年退職):1983万円


14万3761円×12ヶ月×30年+1983万円=7158万3960円

会社員で退職金も受け取れる方は少しゆとりある生活を送れる金額です。

独り身の方は尚更、自分に万が一なにかあったときには介護をしてもらうことになりますから、介護費用はぜひ備えておくことをおすすめします。

退職金が受け取れる方は1000万円~2000万円、退職金が少ないもしくは無いという方は3000万円~4000万円くらいの貯金があると安心です。

5. 貯金からの資産運用のはじめかた

貯金をするといっても思ったように増えていなくてがっかりされている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

実は現代は一昔前とは違ってお金を預けているだけで利子がつき勝手に増えている時代ではありません。日本人は貯金好きといわれますが、それは上記のような時代があったからです。

では今はどうかといえば、預貯金では増やせませんから別の方法でお金を増やすことも考えなければならない時代に突入しています。自分も働くだけでなく、お金にも働いてもらう資産運用も検討していくことがお金を増やすポイントになるということです。

ただ資産運用はよくわからない、初めてで不安があるという方も多いかと思います。

資産運用の成功のポイントは出来れば20年以上の時間をかけて、毎月決まった金額をつみたてていく積立投資で運用を続けていくことです。こうすることで「複利」の効果を得ることが出来るからです。

「複利」とは運用で出た利息分も含めて運用することで更に大きな利息を得ることです。

逆に元本にも利息がつくことを「単利」といいます。

例えば、100万円が手元にあったとして、年5%の利率で運用したとします。

20年後に「複利」「単利」でどのくらい差が出るかといえば、「単利」は200万円に対して「複利」は265万円です。「複利」は運用年数が長いほど尻上がりに資産が大きくなる性質があるため、運用期間が長いほど有利になるのです。

それではここからは、貯金から資産運用をはじめるときにおすすめの金融商品についてご紹介します。

5.1 運用性のある保険(保障と投資)

みなさんは「保険」というワードを聞いたときにどんな印象を持つでしょうか。
自分や家族に何かあったときの保障となるものと考える方が大半かもしれません。

実はこの保険商品には保障だけでなく投資性を兼ね備えたものも存在します。

前項で資産運用は20年以上の時間をかけることが成功のポイントだとお伝えしました。

自分や家族が20年先も健康でいられることが理想ですが、20年という長い年月の間には病気やケガになるリスクがあります。運用を阻害する要因を回避しておくのも資産運用では大切なことですから、投資をする上で保障を持っておくことは欠かせないことなのです。

そこで保障と投資のバランスが取れているのが投資性のある保険商品です。

代表的なものは「変額保険」「外貨建て終身保険」という商品で、それぞれ特徴があります。

まずは「変額保険」はどのような商品なのでしょうか。

簡単にいうと保険の保障性と株式や債券を中心に運用する投資性を兼ね備えた商品になります。

加入した時点で何かあったときの基本保険金額は運用実績にかかわらず保障があります。運用成績によって上下する変動保険金や解約返戻金は最低保証などはなく、運用がうまくいけば最終的に受け取る金額は多くなりますが、運用成績が悪くなれば受け取る金額も少なくなります。

つぎに「外貨建て終身保険」とはどのような商品でしょうか。

外貨建てとなっているように米ドルや豪ドルなど外貨で保険料を払込み、外貨で保険金や解約返戻金などを受け取る仕組みになっています。

終身保険とはその名のとおり一生涯の保障があるということです。

外貨となっているのは日本の低金利により運用しても増えないため、金利水準の比較的高い外貨で運用することで、外貨ベースでみたときに貯蓄効果が日本円での預貯金と比べて高いです。

ただし為替リスクがありますので、タイミングによって元本割れの可能性もありますので、商品内容はよく確認しましょう。

保障がない保険以外の金融商品と違って万が一のことがあっても対応出来るのは保険商品の魅力といえますが、投資性という側面もありますので、リスクを許容できるかなど納得した上で加入すると良いでしょう。

5.2 投資信託、イデコとつみたてニーサの活用

投資の初心者の方もある程度経験のある方にも人気な金融商品が「投資信託」です。

実は国が国民に資産運用の機会のための制度であるイデコやつみたてニーサも投資信託で運用するものがほとんどです。

5.2.1 投資信託とは

では投資信託とはどのような金融商品なのでしょうか。

簡単にいうと、投資家から集めたお金をひとつの大きな資金としてまとめ、運用の専門家が株式や債券、不動産などに投資・運用する商品のことです。そこで出た利益がみなさんのようなお金を預けた投資家に分配される仕組みになっています。

投資信託のメリットをあげると下記のようになります。

(その1)少額からはじめられること

通常自分で株式や債券、不動産に投資しようと思うとかなりまとまった金額が必要になりますが、投資信託はいまでは100円から、もしくは貯まったポイントで購入することが出来るようになっています。

(その2)分散投資でリスクを軽減できる

投資を成功させるポイントは時間をかけることと、様々な資産に分散投資することです。
もし自分である株式を購入した場合、その会社が倒産してしまった場合、投資金額すべてを失う可能性があります。投資信託は小口のお金を集めて大きな資金にした上で様々な資産に分散投資するためリスクを軽減することが可能になるのです。

(その3)お金の専門家が運用してくれる

投資に必要となる知識や手法をいちから勉強して身につけるのは難しいことです。ましてや興味がなかった場合は苦痛になってしまいます。

投資信託はお金の専門家が投資家に変わって運用してくれる上、個人では買えない海外の株式や債券などにアクセスすることも出来るため、より幅広い商品が選択肢にはいることは投資にとって有利となります。

では逆にデメリットは何かといえば、元本保証はないことです。

運用が上手く行けば利益になりますが、運用が上手く行かない場合は元本割れしてしまう可能性もあります。

投資信託のメリット・デメリットをご紹介しましたが、資産運用初心者の方が投資信託にチャレンジする場合は、国の制度である「イデコ」「つみたてニーサ」を活用することがおすすめです。

国の制度であるため、税制のメリットを享受出来、また、つみたてニーサでは国(金融庁)が厳選した投資信託の中から選ぶことが出来るからです。

それぞれどのような特徴があるのかみていきましょう。

5.2.2 イデコ(iDeCo)とは

「イデコ(個人型確定拠出年金)」は自分の年金を自分で準備するための制度です。

加入条件や毎月の拠出額が人によって異なりますが、iDeCoのメリットは3つの税制優遇が受けられることです。

1つ目は掛けたお金が全額所得控除の対象となることです。これにより所得税や住民税が軽減されます。

2つ目は運用益が非課税になることです。通常運用で出た利益には約20%が課税されますが、iDeCoで運用して出た利益は非課税となるのです。

3つ目は受給年齢に到達した時に受け取る際にも所得控除が受けられることです。

iDeCoのデメリットは年金制度となっていることから、60歳までは原則としてお金を引き出せないことと、始める年齢が遅くなると思ったほど運用益が出ないことです。iDeCoは早めに開始することをおすすめします。

5.2.3 つみたてニーサとは

「つみたてNISA」は長期の資産形成をするための制度です。

iDeCoと違って加入条件は日本在住の20歳以上の方となっており、誰でも始めやすいといえます。

メリットは一般的な証券口座やネット証券から投資信託を始めた場合に発生する分配金や運用益などに対する税金が非課税になるという点です。

注意が必要なのは、投資期間が最大20年であること、投資可能な金額毎年40万円(最大800万円)が上限と決まっている点です。

イデコやつみたてニーサはメリットがある反面デメリットもありますので、自分の目的と合致しているかよく確認してから始めること、運用する商品を自分で選ぶときは投資信託の中でも長期的にみたときに成長している可能性の高いものを選ぶことをおすすめします。

5.3 株式投資は必要?アクティブ投信活用のススメ

さて投資信託についてここまでご紹介しましたが、それでも株式投資が必要ではないかと考える方もいらっしゃるかもしれません。本当にリスクの高い株式投資は必要でしょうか。

結論から言うと、その前に検討していただきたいものがあるということです。

実はここまでご紹介してきた投資信託ですが、投資信託と一口に言っても購入出来る本数は約6000本もあり、どのようなスタイルで運用していくかで大きく2つに分けることが出来ます。

それがインデックス投信(インデックスファンドとも呼ばれます)とアクティブ投信(アクティブファンドとも呼ばれます)です。

その違いですが、ざっくり2つをご紹介します。

1つめは運用の目的が異なることです。

インデックス投信とはベンチマーク(基準)にする指数(たとえば日経平均株価やTOPIXなど)と同じ値動きを目指すことを目的としています。

これに対してアクティブ投信はベンチマーク(基準)にする指数を上回る成績になるよう銘柄を選別して投資することを目的としています。より大きな利益を出すことを目指しているということです。

※指数とは株式市場や債券市場など特定の市場で取引されている商品全体の平均的な値動きのことで、たとえば日経平均株価の場合、日本を代表する企業225社をピックアップし、それぞれの株価を足して平均したものとなります。

2つめは上記のスタイルの違いにより、人件費のコストも変わるため、信託報酬という手数料が異なることです。

インデックス投信は手数料が低く、ノーロードといって手数料が0円の場合もあります。
対してアクティブ投信は運用のプロに対する手間賃としての手数料が発生するため比較的高くなっています。

このようにインデックス投信とアクティブ投信の違いが分かったところで、本題の株式投資は必要なのかですが、株式投資をする前に、運用初心者の方はアクティブ投信でリスクを取りながらも積極的に運用し大きなリターンを目指すものからチャレンジしていただくことをおすすめします。何度もお伝えしたとおり、投資信託であれば幅広い銘柄に分散投資が出来るからです。

6. 年齢別の貯金1000万円の人は何割か

貯金1000万円を目指したいと思っている方が多いようですが、実際どの程度の方が1000万円の貯金を持っているのでしょうか。

金融広報中央委員「による「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査] 令和元年調査結果」と「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査] 令和元年調査結果」で金融資産保有世帯を年齢別に貯金1000万円~1500万円の方は何割いらっしゃるか確認してみましょう。

 20代・・・0%(二人以上世帯)、2.0%(単身者世帯)
 30代・・・6.7%(二人以上世帯)、9.7%(単身者世帯)
 40代・・・11.2%(二人以上世帯)、11.5%(単身者世帯)
 50代・・・13.7%(二人以上世帯)、9.3%(単身者世帯)
 60代・・・12.8%(二人以上世帯)、9.8%(単身者世帯)

貯金1000万円を保有している方はどの年代でも非常に限られた方だということが分かりますね。

ただし目指せない金額でもありませんから、貯金1000万円のための行動を開始しましょう。

7. 【ご参考】30代・40代単身世帯はいくら貯金をしているかまとめ

ここでは、これまで見てきた30代、40代世帯のうち、単身世帯の金融資産を保有する世帯についての貯蓄額の平均や中央値、またその内訳について見ていきます。

30代単身者世帯のうち金融資産保有世帯の場合

平均貯蓄額は572万円、中央値は300万円となっています。

また、その内訳は以下の通りです。

30代の単身世帯については、夫婦世帯と比較して有価証券の金額が大きく、資産運用に積極的なのが見て取れます。

  • 預貯金:281万円
  • 保険:70万円
  • 有価証券:170万円
  • その他:51万円

平均貯蓄額572万円,中央値300万円, 内訳: 預貯金281万円,保険70万円,有価証券170万円,その他51万円

40代単身者世帯のうち金融資産保有世帯の場合

平均貯蓄額は972万円、中央値は375万円となっています。

また、その内訳は以下の通りです。

40代単身者世帯も30代単身者世帯と同様に、同世代の夫婦世帯と比較して有価証券の金額が大きく、こちらも資産運用に積極的なのが分かります。

  • 預貯金:440万円
  • 保険:153万円
  • 有価証券:314万円
  • その他:65万円

平均貯蓄額972万円,中央値375万円, 内訳: 預貯金440万円,有価証券314万円,保険153万円,その他65万円

8. まとめ

いかがでしたでしょうか。働く世代の30代40代のみなさんにとって何ひとつでも実行してみようと思えるものがありましたでしょうか。

貯蓄額を、公開データと比較することで、現在の自分の資産がどの程度の水準にあるのかを見ていくことで、今後の資産運用のあり方を決める参考になるかと思います。

安心した老後生活を送るため、現役の今のうちから早めに行動していきましょう。

9. 参考文献リスト

監修
  • 泉田 良輔
  • 証券アナリスト/経営者/元機関投資家

愛媛県出身。慶應義塾大学卒業後、日本生命保険、フィデリティ投信で外国株式や日本株式のポートフォリオマネージャーや証券アナリストとして勤務。2013年に株式会社ナビゲータープラットフォームを設立し、取締役兼編集委員長としてLIMO(リーモ)等の経済金融メディアの立ち上げと運営を行う。慶應義塾大学大学院修了。東京工業大学大学院非常勤講師。2018年にOneMile Partnersを共同創業し、取締役に就任(金融プロフェッショナル統括責任者)。

著者
  • 三輪 文
  • ファイナンシャルアドバイザー

二級ファイナンシャル・プラニング技能士(FP2級)。はたらく世代の資産運用サポート促進のためのマネーセミナーで登壇多数。二種外務員や保険募集人資格を短期間で取得。生命保険から投資信託までの幅広い金融商品を活用し、総合的な視点からライプラニングや資産運用アドバイスを行う。また、中学生から芸能活動をスタートし、役者やラジオパーソナリティ、モデルなどとして幅広く活動。フリーランスなどの経験と女性の視点も併せて資産運用の初心者にでも分かりやすくお金の話を伝えることに努力している。

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