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NISAとつみたてNISA、私はどっち?後悔しない選び方

NISAとつみたてNISA、私はどっち?後悔しない選び方

2021/02/04 (最終更新:2021/07/19)
  • #NISA
  • #比較

1. はじめに

NISA(ニーサ)」や「つみたてNISA」という言葉を耳にする機会が増えました。

NISAとは、2014年にスタートした、少額からの投資を行うための非課税制度です。

つみたてNISAは、NISA制度開始後の2018年からスタートした積立投資に特化した非課税制度です。

投資信託や株式で運用した場合、利益には通常20.315%の税金がかかります。

NISAとつみたてNISAは、この税金を非課税にすることができる制度です。

中には「NISAやったほうがいいよ」と身近な人に勧められているという人もいらっしゃるのではないでしょうか。

まだ始めていないあなたのために、投資目的やタイプ別に見てどちらを選ぶと良いか一緒に考えていきたいと思います。


2.  NISAとつみたてNISA、比較でわかる特徴マップ

NISAとつみたてNISAの比較表

NISAとつみたてNISAは、いずれも20歳以上で日本に在住している人なら、原則誰でも非課税口座を開設できます。

NISAとつみたてNISAは併用することができません。

また、口座開設もすべての金融機関の中で1人1口座しか開設できません。

2.1 運用期間

【NISA】
最長5年
【つみたてNISA】
最長20年


NISAの運用期間は最長5年、それに対してつみたてNISAの運用期間は最長20年です。

短期間で運用したい人はNISA、長期間かけてじっくり増やしたい人はつみたてNISAの方が非課税期間を活用できると言えるでしょう。

ちなみに「最長◯年」となるのはなぜでしょうか。それは、NISAでの運用が終了する時期は投資した年から数えて5年目の年末、つみたてNISAは20年目の年末だからです。

そのため、その年の1月に投資をする場合も、12月に投資をする場合も、非課税期間の終了時期は同じというわけです。

12月からNISAをスタートした場合は、実質4年程度しか非課税で運用ができない点は注意が必要です。

2.2 非課税投資額

【NISA】
年間120万円まで
【つみたてNISA】
年間40万円まで


1年間に投資できる金額が、NISAとつみたてNISAでは異なります。

NISAは年間で120万円、つみたてNISAは年間40万円という上限が設定されています。

1年間というのは、その年の1月から12月末までの期間になります。

NISAもつみたてNISAも一度使った枠の再利用はできません。一度購入した金融商品を同じ年内に売却しても、空いた枠で別の商品を買うことはできません

また、非課税枠が余っても翌年に繰越すことはできません。

非課税投資額の中には、投資信託を購入した時にかかる「販売手数料」は含まれません。

また、NISA口座で投資信託を保有中に発生した分配金を再投資する際、非課税枠が空いている場合は非課税枠を使用して再投資されます。

非課税枠が空いていない場合は課税口座(特定口座または一般口座)で再投資されてしまいます。

また、つみたてNISAは購入方法が積立方式に限定されています。

一度に投資したいという人や年間40万円以上投資したいという人はNISAを選択することになります。

2.3 投資対象商品

【NISA】
株式投資信託、国内・海外上場株式、国内・海外ETF、ETN(上場投資証券)、国内・海外REIT、新株予約権付社債(ワラント債)など
【つみたてNISA】
長期・積立・分散投資に適した投資信託など


NISAとつみたてNISAでは、購入できる金融商品が異なります。

NISAで購入できる金融商品は株式投資信託、国内・海外上場株式、国内・海外ETF、ETN(上場投資証券)、国内・海外REIT、新株予約権付社債(ワラント債)です。

一方、つみたてNISAの場合は安定的な資産形成を目指す長期・積立・分散投資に適した投資信託に限られています。

具体的には、

・販売手数料が公募株式投資信託は0円(ノーロード)、ETFは1.25%以下の商品
・信託報酬が低い商品
・頻繁に分配金が支払われない商品


などの法令上の条件をクリアした投資信託となります。

2.4 その他の特徴

2.4.1 ロールオーバー

【NISA】
ロールオーバーできる
【つみたてNISA】
ロールオーバーできない


NISAには「ロールオーバー」という仕組みがあります。

ロールオーバーとは、NISAの非課税期間が終了する際、所定の手続きをすることで金融商品を翌年の非課税枠に移すことです。

これでさらに5年間(トータルで最大10年間)非課税で運用できる仕組みです。

例えば、NISA口座で120万円分の投資信託を購入し、5年間の運用で評価額が150万円に上がっていた場合を考えてみましょう。

その場合、NISAの上限を超えて全額ロールオーバーすることが可能です。

ただし、このロールオーバーはつみたてNISAでは使うことができません。また、ロールオーバーでその年の非課税枠を消費してしまった場合、その年は新たな買付ができないので注意が必要です。

2.4.2 口座開設期間

【NISA】
2014年1月~2023年12月
【つみたてNISA】
2018年1月~2037年12月末
※いずれとも期間延長の予定あり


口座開設期間は、NISAが2014年1月~2023年12月末、つみたてNISAが2018年1月~2037年12月末の期間となります。

「もうあまり時間がない!」と思われた人もいるかもしれませんがご安心ください。

NISAは2024年から新NISAに生まれ変わり、さらに10年間の投資期間が始まることが決まっています。

さらにつみたてNISAも2042年まで口座開設期間が延長される予定ですので、今から始めても遅くはありません。


3. 老後資金?教育資金?目的別に選ぶNISAとつみたてNISA


さて、いよいよここからはNISAとつみたてNISAの選び方についてご紹介していきたいと思います。

NISAとつみたてNISAは併用することができませんので、どちらか一方を選んで資産運用をしていく必要があります。

それでは、あなたにふさわしい制度はどちらでしょうか。

ここでは資産運用をスタートする目的別に、どちらを選択すべきか見ていきたいと思います。

3.1 老後資金を貯蓄したい人は

最近資産運用を始める人の目的として多いのが「老後資金」です。

早い人なら20代から老後資金を積み立てている人もいるようです。

3.1.1 20代~40代の人で老後資金を貯蓄したい人は「つみたてNISA 」

20代~40代の人は老後生活までに20年以上時間があるため、つみたてNISAでコツコツ積み立てていくのが良いでしょう。

長期・分散・つみたて投資の最大のメリットは「リスクの軽減効果」です。

一般的に長く時間を掛けるほどリスクが軽減され、リターンが安定すると言われています。

資産・地域を分散して積立投資を行った場合の運用成果の実績のグラフ(保有期間5年、20年)

上図のように、運用期間が5年だと元本割れする人、年率10%以上リターンが出た人など、結果のブレ幅が大きいことが分かります。

しかし、運用期間20年だと、運用をしたみんなの結果のブレが少なくなり、みんなが安定した利益を得ていることが分かります。

ただし、一点注意が必要です。

金融庁のサイトによれば、上の図は1985年以降の各年に、毎月同額ずつ国内外の株式・債券の買付けを行ったものです。

これは特定の資産を特定の比率で買い続けた場合、過去においては元本割れが発生していないという試算結果。
つみたてNISAや20年間の投資をすれば、損をしないというわけではありません

マネイロでは5年より20年、できれば30年目線の長期運用をおすすめしています!

3.1.2 50代~老後資金を貯蓄したい人は、通常の課税口座での投資を視野に

資産運用初心者、経験者でもご自身で売却のタイミングを計る自信が無く、50代から老後資金を貯蓄したい人は、課税口座を軸にして余裕があればNISAやつみたてNISAを利用することを選択肢に入れましょう。

課税口座とは、少額投資非課税制度が適用されるNISA口座以外の口座のことです。

その名の通り、譲渡益や配当金に対して20.315%課税されます。

しかし、その代わりにNISAやつみたてNISAのような非課税期間や非課税投資枠がなく、時間や規模を気にせずマイペースに投資することができます。

この課税口座の縛りの少なさを生かして、できるだけ長きにわたる資産運用を行っていきましょう。

節税も大事ですが、より長い期間を視野に入れて運用することのほうがそれ以上に大切です。

また、老後資金というミスできないお金を、期限を決めて運用するのはリスクの伴う行為です。

あくまでNISAやつみたてNISAは、課税口座による運用の上で余裕ある資金のもと始めると良いでしょう。

他方、資産運用の経験が豊富な人、売り時買い時をタイムリーに判断して機動的に動ける人は、NISAやつみたてNISA口座をフル活用した運用をおすすめします。

3.2 教育資金を貯蓄したい人は

教育資金を貯蓄したい人で大学進学までに10年以上時間がある場合は、つみたてNISAでの運用を取り入れることを検討して良いでしょう。

ただし、教育資金をすべてつみたてNISAで準備するのではなく、「ごく一部」をつみたてNISAで準備するイメージです。

教育資金は老後資金と異なり、お金が必要な時期が明確に決まっています。

その時期に含み損が出てしまっていては、積み立てた金額よりも少なく受け取らなければならなくなる可能性に注意してください。

期限が決まったお金を投資信託(つみたてNISAという非課税制度を使って投資信託を購入)で運用するのは、相応にリスクの伴う行為です。

そのため、教育資金を貯めたい人は、「貯蓄型の保険」もしくは「円預金」に「つみたてNISA」を乗せる2階建ての運用スタイルが選択肢になるでしょう。

教育資金=つみたてNISAではなく、つみたてNISAは必要な教育資金の「ごく一部」を担うイメージです。

そうすれば大学進学時に相場が下がっている場合でも、先に保険や円預金の貯蓄を充て、つみたてNISAの資金は相場が落ち着いてから解約するなどの措置を講ずることができるでしょう。

3.3 退職金を運用したい人は

続いて、退職金を運用したい人はどちらを選択すべきでしょうか。

退職金としてまとまったお金を受け取ると、誰しも気持ちが大きくなって思い切った投資がしたくなるものです。

退職金を運用したい、しかし運用について初心者であったり、経験者でもご自身で売却のタイミングを計る自信が無いという人もいるでしょう。

その場合、50代の場合と同じく「課税口座」をメインに資産運用を始めてみるのはいかがでしょうか。

まず退職金を受け取った際は、

・10年以内に生活費として使うお金
・すでに行き先が決まっている(リフォーム、家電購入資金など)お金
・10年間は使わないお金

に色分けをしてみてください。

色分けをした上で「10年間は使わないお金」を資産運用に利用すると良いでしょう。ここで、決して退職金の全額を投資に回すことは避けるべきです。

退職金は老後生活の貴重な生活費です。

投資で散財することがないよう、あらかじめ投資に回す金額を決めておく必要があります。

そしてこの「使わないお金」を、非課税期間や非課税投資枠のない課税口座の特徴を生かしてじっくり「長期・積立・分散」投資していきましょう。

先ほども触れたとおり節税に気を取られ、より長い期間運用することをおろそかにしてしまうことで、リスクが高まります。

退職金を運用して老後資金を確保する場合、課税口座をメインに、NISAやつみたてNISAはあくまで余裕資金でご利用ください。

なお、資産運用の経験が豊富な人、売り時や買い時を判断して素早く動ける人は、NISAやつみたてNISA口座の枠をフル活用すると良いでしょう。

3.4 親から引き継いだ相続財産を運用したい人は

最後に親から引き継いだ相続財産を運用したいという人もいるかもしれません。

相続財産の額にもよりますが、こちらもまとまった資金を運用するなら「NISA」を利用する方が効果的かもしれません。

相続財産は自分が目的を決めて作った資産ではありません。

そのため、相続財産を受け取ってもどうしたらいいのか分からないという人もいるでしょう。

相続財産を運用したいという人は、「バランスファンド」を特定口座で運用しながら、一部の資産だけNISA口座でアクティブ運用をするという手法を検討してみてはいかがでしょうか。

バランスファンドとは、一つの投資信託の銘柄を購入することで、国内外の株式や債券、不動産やコモディティ(金やエネルギー、穀物などの商品)に分散投資することができる投資信託です。

資産を分散することでリスクを軽減させ、「資産を減らさない努力」をしているものもあります。

まとまった金額を運用する場合は、この「資産を減らさない努力」をしているファンドで運用することで、大きなリターンは狙いませんが、急激な相場の下落時に資産を持ちこたえさせることが期待できます。

いわばディフェンダーのような存在です。

土台をバランスファンドで運用できたら、次は一部の資金をアクティブ投資信託で運用させると、これがフォワードの役目を担います。

フォワードは得点力が期待できますので、それに伴って発生する税金が非課税で運用できるNISA口座の出番です。

このように相続財産も2階建てで運用することで上手にリスク分散を図り運用すると良いでしょう。


4.  iDeCoや保険、併用できる運用商品で選ぶNISAとつみたてNISA

4.1 複数の商品を併用して運用するときのポイント

NISAとつみたてNISAを併用することはできませんが、NISAもしくはつみたてNISAとiDeCoや貯蓄型保険を併用することは可能です。

むしろNISAだけで運用するよりも、いくつかの金融商品を併用させて運用することでそれぞれのメリットとデメリットを補い合うことが期待できます。

ここでは、iDeCoや貯蓄型保険と併用するならどちらの制度を活用すべきかを見ていきたいと思います。

4.1.1 iDeCoと併用するならどっち?

まずはiDeCoと併用するならNISAとつみたてNISA、どちらが良いでしょうか。

iDeCoとは、個人型確定拠出年金のことで、毎月掛金を積み立てることで将来60歳以降に年金として受取ることができる制度です。

iDeCoで運用している人は、老後の生活費などのために資産運用をしている人がほとんどと言えるでしょう。

そのため、iDeCoと併用するなら「つみたてNISA」がおすすめです。

iDeCoは原則として60歳まで引き出すことができません。その点つみたてNISAはいつでも解約が可能(一部解約・全部解約共に可能)なため、急な出費に対応できます。

併用することで、iDeCoに無い「流動性(いつでもお金が引き出せること)」を持ち合わせながら資産形成ができます。

4.1.2 貯蓄型の保険と併用するならどっち?

貯蓄型の保険に加入している人も多いでしょう。

貯蓄型の保険とは、貯蓄機能を兼ね備えた保険商品です。

死亡や高度障害など、万が一のときは保険金を受け取れ、何事もなければ解約時や満期時に解約返戻金や満期保険金が受け取れるタイプの保険です。

中には米ドルやオーストラリアドル建てで運用する「外貨建て保険」や、投資信託で運用する「変額保険」があります。

貯蓄型の保険で運用している人は、その保険がどのような資産で運用されているかによってNISAを使い分けると良いでしょう。

たとえば日本円で運用している生命保険や、外貨建で運用している保険と組合わせるなら、アクティブ投信で運用できる「NISA」との相性が良いでしょう。

一方で、変額保険でアクティブ運用している人は、「つみたてNISA」をつかってインデックス投信での運用を組み合わせる方が良いかもしれません。

貯蓄型保険は、資産形成をしながら、万が一のとき(死亡時や高度障害時)にまとまったお金が受け取れるため、運用のリスクだけでなく、生活を送る上でのリスクもヘッジできる点では取り入れる価値があるでしょう。

【参考】インデックス投信とアクティブ投信ってなに?

投資信託には「インデックス型」と「アクティブ型」の2種類があります。

インデックス型とは、国内株式だと日経平均株価やTOPIX、米国株ならS&P500やダウ平均株価など、市場の動きを示す「指数」に連動することを目指すファンドです。

市場の平均値を目指すというイメージです。

これに対し、アクティブファンドは指数への連動ではなく、「指数を上回ること」を目指すイメージです。

そもそも運用方針が違うため、どちらが良いという問題ではありません。

むしろ「どちらも持つ」ことでそれぞれの良さをことが期待できます。


5.  タイプ別診断!あなたはNISA派?つみたてNISA派?

それではここからは、あなたの運用スタイルやタイプから、どちらの制度で運用をスタートする方がよいかを見ていきたいと思います。

これから出てくる質問に、それぞれAかBをお選びください。

タイプ別診断!あなたはNISA派?つみたてNISA派?

いかがでしたでしょうか。
この結果を参考に自分だけの運用スタイルを検討してみてくださいね。


6. すでに始めている人も大丈夫!NISAとつみたてNISAの切替方法

皆さまの中には、すでにNISAで資産運用を始めている人もいるでしょう。

その中で、

「今NISAで運用しているけど、つみたてNISAに変更できないのかな」

と思っている人もいるかもしれません。

ここでは、NISAからつみたてNISAへの切り替え方法について見ていきたいと思います。

6.1 NISAからつみたてNISAへ切替の流れ

NISAからつみたてNISAに、またはつみたてNISAからNISAに切り替えることは可能です。ただし、以下の点に注意が必要です。

・NISA口座を開設している金融機関で手続きが必要
・年単位しかできない
・毎年金融機関が定める期限までに手続きが必要
・切り替えたい年に一度でも既存のNISA口座で買付をしたら、切り替えは翌年から

6.1.1 どこで申し込めばいいの?

NISA口座は年単位で切替が可能です。

NISA口座を切り替えたい場合は、NISA口座を開設している金融機関で所定の手続きが必要です。

店舗型の銀行や証券会社だと切替用紙を記入し提出すれば手続きが完了するケースが一般的です。

また、ネット証券など一部の証券会社はオンラインで手続きができる金融機関や、オンラインで手続き後書面でも提出が必要な金融機関など対応が異なります。

事前に自分が取引している金融機関のホームページなどで確認するとよいでしょう。

6.1.2 切替には時間がかかる!タイミングにはご用心

NISA口座を切り替える場合、金融機関で所定の手続が必要ですが、その年中に切替を完了させたい場合は、金融機関が定める期限までに手続を済ませる必要があります。

一般的にはその年の9月末に期限を設定している金融機関が多いようです。

この期限を過ぎてから手続きをすると、NISA口座の切替は翌年からの適用になります。

ただし、NISA口座を切り替えたいと思いたった年に、一度でも変更前のNISA口座で金融商品を購入していると切替は翌年からの適用になります。

切替期限も、事前に自分の取引している金融機関に確認しておくとよいでしょう。

6.1.3 すでにNISAで運用している残高はどうなるの?

例えば前年にNISA口座で100万円投資信託を購入している人が来年からつみたてNISAに切り替えた場合を考えてみましょう。

この場合、すでに購入している100万円は課税口座に追い出されてしまうのでしょうか?

答えは”ノー”です。

すでにNISA口座で運用している残高は、当初の非課税期間満了まで引き続きNISA口座で運用が可能です。

NISA口座は年単位での切替になります。

これは、すでにNISA口座で保有している投資信託を、つみたてNISAに切替後も年単位で切り離してNISA口座に残せるための措置です。

6.1.4 金融機関を変更できるって本当?

現在A証券会社でNISA口座を開設している人が、B証券会社にNISA口座を変更することは可能です。

金融機関を変更する場合も、先ほどのNISA口座の切替同様、年単位での変更が可能です。

ただし、すでにその年の非課税枠で金融商品を購入している場合は、翌年からの適用になります。

タイミングも先程と同様、年中に切り替える場合には期限が定められていますので、金融機関が設定する期限内に手続を済ませる必要があります。

6.1.4.1 金融機関の変更方法

金融機関を変更する場合は、まずは所定の期限内にNISA口座をすでに開設している金融機関でNISA金融機関変更の手続をしましょう。
そして「非課税管理勘定廃止通知書」または「非課税口座廃止通知書」の交付を受けます。

さらに、新しくNISA口座を開設したい金融機関で投資用口座を開設します。この時、変更前の金融機関で交付された通知書を提出し、NISA口座の開設を行います。

変更後の金融機関から税務署へNISA口座開設申請を行い、税務署が承認後に変更後の金融機関でNISA口座開設が完了します。(1か月程度、時間がかかります)


7. 2024年からどう変わる?新NISAの概要

現行のNISA制度は2023年に終了し、2024年からは「新・NISA」に生まれ変わることが決まっています。

この「新・NISA」は現行の制度と比較すると少しだけ複雑になります。

こちらについてもご紹介したいと思います。

7.1 新・NISAの変更点

・年間の投資上限額は1階が20万円、2階が102万円の2階建て構造
・非課税期間は5年間(1階部分は5年後つみたてNISAに移行可能)
・口座開設可能期間は2028年(令和10年)まで
・投資対象商品は1階がつみたてNISAと同様、2階が上場株式・公募株式投資信託等

7.2 投資対象枠が2階建て構造に!?

まず、新・NISAの最大の変更点は、2階建て構造になることです。

新ニーサの2階建て構造の解説図

現行のNISAは年間120万円までの非課税枠の中で株式や投資信託を購入できる制度でした。

しかし、新・NISAでは非課税枠が1階部分と2階部分に分割されます。

1階部分の非課税投資額は年間20万円、2階部分は102万円のため、合計で年間122万円まで非課税で投資できます。

1階部分では現行のつみたてNISAと同様で「積立・分散投資に適した一定の公募株式投資信託等」を定期・継続的な積立投資で運用します。

2階部分では現行のNISAのように上場株式や公募株式投資信託で運用します(ただし、新・NISAからレバレッジを効かせている投資信託、及び上場株式のうち整理銘柄・管理銘柄は投資対象から除外されます)。

現行のNISAとつみたてNISAが合体したような制度ですね。

7.2.1. 2階建て構造の注意点

ここでややこしいのが、2階部分で投資信託を購入したいときは、まず1階部分でつみたて投資をする必要があるところです。

1階から入らないと2階には上がれないというわけです。

ただし、すでに現行のNISA口座を開設していた人または投資経験者の場合は、いきなり2階で上場株式のみに投資することは可能です。

この場合、1階部分でのつみたては不要です。

言い方をかえると、投資経験者でさえ2階部分で投資信託やETF、不動産投資信託などを運用する場合は1階のつみたてが必要ということになります。

7.3. ロールオーバーはどうなる?

もうひとつややこしいのがロールオーバーです。

新・NISAでもロールオーバーを利用することが可能です。さらにいうと、現行のNISA口座で運用した残高を新・NISAにロールオーバーすることも可能です。

ケース別にロールオーバーを見ていきたいと思います。

7.3.1. 現行のNISAで122万円を超えてロールオーバーする場合

まず、現行のNISAで122万円(新・NISAの投資上限額)を超えてロールオーバーする場合はどうなるでしょうか。

この場合は、超えた金額も含めて全額ロールオーバーすることが可能です。

ただし、ロールオーバーでその年の新・NISAの投資枠が埋まってしまうため、新規投資はできません。

7.3.2. 現行のNISAで122万円より少ない額をロールオーバーする場合

続いて、ロールオーバーしたい金額が122万円(新・NISAの投資上限額)より少ない場合はどうなるでしょうか。

この場合は、まず2階部分の枠から使っていきます。2階の枠が全額埋まってしまうと、次は1階部分の枠を使います。

ロールオーバーしてもその年の非課税枠に空きがある場合は、新規投資することが可能です。

ただし、ロールオーバー後に2階部分に空きがあり、2階部分で個別株式以外の金融商品(投資信託、ETF、不動産投資信託等)を購入したい場合は、注意が必要です。

その場合、1階部分の積立も開始する必要があります。

7.4. つみたてNISAはどうなる?

つみたてNISAの場合は新・NISAほどややこしいことはなく、単に口座開設可能期間が5年間延長するだけです。投資対象商品や投資上限額に変更はありません。

例えば2021年につみたてNISAをスタートした人は、2042年まで毎年40万円を上限につみたて投資できます。

つみたてNISAユーザーの皆様には朗報と言える改正となるでしょう。


8. まとめ

今回はNISAとつみたてNISAについて紹介しました。

NISAかつみたてNISA、どちらか一方を選ばないといけないため、始めようにも二の足を踏んでいた人も多いのではないかと思います。

ここまでNISAとつみたてNISAについて見てきましたが、投資をする上で最も重要なことは、「自分に合った金融商品を選択する」ことです。

たとえNISAで非課税で運用できたとしても、例えばあなたが働き盛りの一家の大黒柱ならどうでしょう。

NISAではなく貯蓄型の生命保険で資産運用をするほうが、万が一のときは家族に投資成果以上の資産を遺すことができるでしょう。

あるいは、ついつい途中で貯金を引き出してしまいがちな人は、老後資金が目的ならiDeCo(個人型確定拠出年金)の方が引き出せないメリットを活かせるかもしれません。

非課税制度を利用することを目的にするのではなく、

自分は何のために資産運用をしなければならないのか

という根幹を見つめなおすことで、自分に最適な制度や商品が見えてくるかもしれません。

それが自分で分からないという人は、マネイロの無料オンラインセミナー無料相談サービスの参加をおすすめします。

これを機に、自分にあった資産運用をスタートしてみてはいかがでしょうか。


参考資料

監修
泉田 良輔
  • 泉田 良輔
  • 証券アナリスト/経営者/元機関投資家

2013年に 株式会社ナビゲータープラットフォーム (ナビプラ)をシティグループ証券出身の証券アナリストであった原田慎司らとともに創業。くらしとお金のメディア「 LIMO 」の運営等を行う。2018年に金融サービスを展開する 株式会社OneMile Partners を設立、CCO(チーフコンテンツオフィサー)に就任。大学卒業後、日本生命・国際投資部では外国株式ファンドマネジャー、その後フィデリティ投信・調査部や運用部にてテクノロジーセクター証券アナリストや小型株ファンドのアシスタント・ポートフォリオ・マネージャー。慶応義塾大学商学部及び同大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科修了(研究科最優秀賞)。著書に 『銀行はこれからどうなるのか』『機関投資家だけが知っている「予想」のいらない株式投資法』 など。また「日経BizGate」での連載 「泉田良輔の新・産業鳥瞰図」「現代ビジネス」「東洋経済オンライン」「プレジデント」 などへの寄稿や対談 「米独に遅れる日本の自動運転、自動車も電機の二の舞に?(週刊ダイヤモンド)」 も多数。海外ジャーナリストからインタビューされることも多く、 Financial TimesThe EconomistBloomberg において自動車や金融業界についての国内外産業動向コメントも発信している。動画での情報発信も盛んに行っており、NewsPicksのTHE UPDATEに数多く出演。 東京工業大学大学院非常勤講師 としてエネルギー政策・経済特別講義を2016年度から行う。 日本証券アナリスト協会認定アナリスト(CMA) Twitter: @IzumX

著者
谷口 裕梨
  • 谷口 裕梨
  • ファイナンシャルアドバイザー

同志社大学卒。大学卒業後、京都中央信用金庫で投資信託や生命保険などを活用した資産運用アドバイス、相続相談、融資、為替業務などに従事。その後は福知山市役所で主に中小企業支援などに携わる。現在はこれまでの金融商品の知識を生かし、個人向け資産運用のサポート業務を行う。2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)、一種外務員資格(証券外務員一種)などを保有。

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